センボンゴケ目 

センボンゴケ科を中心とした仲間。乾くと葉が巻き、乳頭があるためにややくすんで見えるものが多い。

高山の岩上や岩隙の土上(ヤリカツギゴケ科)、暖地の樹幹上(カタシロゴケ科)での生育に特殊化したものが別科として分けられている。

ヤリカツギゴケ科は、他の2科とはさく歯の形態がやや異なることから、キセルゴケ目により近い別の目(または亜目)とすることもある。

*ここがポイント
カタシロゴケ科は関東以西、太平洋岸沿いの暖地で、樹幹や腐木上に生育。葉の先端に無性芽が付く。
ヤリカツギゴケ科は高山の石灰岩地で、日陰になる岩上や岩隙の土上に稀に生育する。めったにお目にかかれない。
センボンゴケ科は全国各地の日当たりがよく乾燥しやすい岩上やコンクリート上、土上に生育。25属81種もあるから、形態が特徴的なわかり易い種類から覚えていくのがいい。

センボンゴケ目の科   (属と種の数) 生育地 主な特徴
1 カタシロゴケ科      (4属14種) 太平洋岸沿いの暖地(関東以西)の樹幹基部、腐木上に生育 葉の先端に無性芽をつける、葉基部の中肋沿いが透明な網目状
2 センボンゴケ科 (25属81種) 全国各地の岩やコンクリート上、土上に生育 直立する茎が密な固まりを作って生育することが多く、葉身細胞に乳頭が出るものが多い
3 ヤリカツギゴケ科 (1属4種) 高山の石灰岩地で日陰の岩上や岩隙土【極稀】 円筒状の特異な形の帽をもつ